マーケティングの成果を最大化するためにはターゲットを知る必要があります。
電話帳を上から順番に当たっていくようなやり方もありますが、コストが見合いません。ターゲットを絞り込むことで、マーケティング対象の母数が減らすことができます。母数を減らすことで、同じマーケティング予算であっても、同じ対象に切り口を変えて訴求することができます。
本記事では、購買力のある医師について解説しますので、ぜひご覧ください。
1.開業医の購買力とは
購買力とは、ニーズ度×資金力×意思決定力です。あなたの商品に興味を持つだけでなく、資金と意思決定の権限を持っている必要があります。資金とは自由に使える可処分所得、もしくは開業医の事業用資金です。意思決定権とは、その資金を使用する決裁権です。どちらも、個人の場合と、事業の場合があり、あなたが販売する商品によって、区別するとよいでしょう。
2.購買力がある医師を絞り込む方法
購買力がある医師を絞り込むには、収入の母体となる医院が儲かっているかがキーになります。肝心の医院が赤字では、開業医が使える資金は少ないのでターゲットになりづらいです。
医院が儲かっている開業医の4つの見分け方を紹介します。
開業年数
1つめは、開業からの年数です。開業医のライフステージから考えると、新規開業から1年間は赤字からスタートして黒字化することに必死な時期ですので、資金力が低いだけでなく、コスト意識も非常に高まっています。そのため、少なくとも開業してから2年以上経過している医院に絞りましょう。開業から年数を重ねている医院は、安定的に利益が出ていると見てよいです。中には、経営が得意でない開業医もいますので絶対ではありませんが、傾向としてとらえてよいでしょう。
なお、黒字化するためには、来院患者を増やすことが重要ですので、集患(患者を集客すること)が見込める商品やサービスのニーズが高いかもしれません。これは事業投資であり、単なる消費ではありませんので、意思決定がしやすいです。一方で、ぜいたく品のマーケティング対象としてはかなり難易度が高いと言えます。
例えば、開業5年めは、開業時に買いそろえた物品の買い替え時期を迎えます。例えば、車通勤をしている開業医は、事業用途で車を購入している可能性が高いですし、5年も経過すれば、より実用的なセカンドカー、もしくは高級車に買い替えるなどの行動が見えてきます。
開業から5,6年というのは、機材の故障やグレードアップの時期ですし、リース期間の満了を迎えますので、大型の物品の買い替えが発生しやすい時期です。留保してきた利益を次の成長のために投資するという意欲が高まっていますのでチャンスかもしれません。
また、平成に開業したクリニックは、軒並み30年以上経過していますので、引退する開業医が多いですし、既にM&Aや事業承継を具体的に検討しているなどの動きが出てきます。
診療科
2つめは標ぼうしている診療科(標ぼう科といいます)による絞り方です。
患者数が多くて客単価が高い診療科目が一番、収益率が高くなりますが、診療科目によって来院する患者数と客単価が異なります。
患者数が多いかどうかは、医師の人気や評判、立地戦略によるところが大きいです。ウェブ広告やSNSをうまく使って集患できている医院は患者数が多いです。日本には内科を標ぼうする医院が一番多く、患者の母数も多いです。専門特化の医院と比べると、客単価は低い傾向にあります。内科でも、患者から人気のある開業医は十分に利益を出しています。
客単価が高い医院というのは、検査や処置や手術が多い診療科目です。例えば、眼科、整形外科、外科、美容皮膚科、内視鏡専門の医院、お産をしている産婦人科など、比較的専門性の高い科目です。このような科目で患者が多く来ている医院は利益が出ていると見られます。
比較的、収益性が低いのは、皮膚科や小児科と言われます。もちろん、人気の高い医院は十分にやっていけますが、皮膚科や小児科は診療単価が低いため、かなりの患者を集めないと利益を出すのが難しい科目です。そのため、皮膚科では、自由診療メニューを別で案内するなど、保険診療以外の診療で稼ぐといった工夫がされています。
決定権
3つめは、意思決定権を持っているかどうかです。医院のオーナーである開業医のことを、別の言い方で「開設者」と言います。これは、地方厚生局に医院開業を届け出る際に使われる用語です。開設とは、その医院を開設する者という意味で、医院のオーナーです。
一方、「管理者」という種別もあります。これはその医院の管理者、つまり、「院長」です。
飲食店をイメージすると良いです。オーナーが管理者を兼務することが多いですが、別に医師を雇って院長をやってもらうケースもあります。ですので、院長と言っても、オーナーであるとは限りません。よって、意思決定権がどこまで委譲されているかによって、購買プロセスが異なってきます。
オーナー院長であれば、意思決定権は公私ともに持ち合わせていますし、雇われ院長であれば、医院経営に関する設備投資などの意思決定権は持たず、給与所得の範囲の私的なことでしか意思決定権がないと見ます。
また、オーナー院長であれば業績がそのまま個人の収入に直結しますが、雇われ院長の場合はそうとも限りません。そうしたことから、雇われ院長の場合は私的な購買力がそれほど大きくはないと考えるのが一般です。ただし、家計やそれまでの生き方によって個人差がかなりありますのであくまで傾向として見てください。
エリア
最後に、エリア特性で絞り込む方法です。都市部で開業した医師と地方で開業した医師との最大の違いは、医院の固定費の違いです。東京のビルの一室で開業すると坪単価が高額になり経営を圧迫しがちです。一方、地方の場合は駐車場付きの平屋で開業してもそれほど高額にならないというメリットがあります。日本の場合、診療単価は全国一律ですので、固定費が低い地方エリアのほうが利益率は高いということになります。
特に嗜好品やぜいたく品は、エリアによって傾向がみられますので、エリアごとに絞って訴求することで成果を出しやすくなるでしょう。
3.歯科医はお金持ちか?
医師と同じように、歯科医師も富裕層かというと、一概にはそうとも言えません。
歯科医院は保険診療だけではそれほど収益性は高くなく、自費診療を組み合わせて提供することで収益を拡大している医師がほとんどです。開業した歯科医師か、開業医のもとで働く勤務医かにも大きく異なりますが、平均年収が約800万円前後と言われています。医科の医師とは大きく差があることを認識しておきましょう。
まとめ
以上、マーケティングの成果を最大化するために、購買力のある医師について解説しました。ターゲットを絞り込み、母数を減らすことで、同じマーケティング予算であっても、同じ対象に切り口を変えて訴求することができます。
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